復活したゼロ年代作家、覚悟の告白——滝本竜彦采访(2)
2023-06-27 来源:百合文库
── : 失礼ながら、そういった作品群が生み出されフォーマット化していく流れは、ご自身をはじめ、佐藤友哉さん、舞城王太郎さん、西尾維新さんといった2000年代デビューの、いわゆる「ゼロ年代」の方々が先鞭を付けられたかと……。
滝本: はい。だからこそ、僕は僕自身のためにも責任を取ろうとあがきました。なぜなら、実は僕自身がかつて「本を読む」という体験でものすごく幸せになったからです。僕の母は、僕を作家にしようと誘導していたみたいで、幼い頃からいろいろな本を与えてくれました。 そのなかで、ある日読んだ『ドラゴンランス戦記』という物語にとてつもない衝撃を受けたんです。あれは、まごうことなく衝撃で、読み終えたときには僕は作家になることを決めていました。
── : いくつのときでしょう。
滝本: 当時、小学生でした。読み終えたときに現実に引き戻すのではなく、ものすごいプラス効果があって、こんな小説を書きたいと思ったんです。
── : 結果、2001年に作家デビューを果たします。デビュー作の『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』、続けて『NHKにようこそ!』は読者に広く迎え入れられました。
滝本: でも、そこが限界でした。本当はもっと読者を幸せにしたかったんですが全然足りなかったんです……。 よく、作家は想像の翼を羽ばたかせ森羅万象を描くと言われますが、僕はダメでした。当時の僕はものすごく暗くて自分の持つ感情の幅の限界を超えることはできない、と思い知ったんです。だから共感してもらえても、ハッピーな気持ちにまで読者を連れていけなかった。書くためには僕自身がハッピーな気持ちを知らなければならない。だから修行を始めました。
滝本: はい。だからこそ、僕は僕自身のためにも責任を取ろうとあがきました。なぜなら、実は僕自身がかつて「本を読む」という体験でものすごく幸せになったからです。僕の母は、僕を作家にしようと誘導していたみたいで、幼い頃からいろいろな本を与えてくれました。 そのなかで、ある日読んだ『ドラゴンランス戦記』という物語にとてつもない衝撃を受けたんです。あれは、まごうことなく衝撃で、読み終えたときには僕は作家になることを決めていました。
── : いくつのときでしょう。
滝本: 当時、小学生でした。読み終えたときに現実に引き戻すのではなく、ものすごいプラス効果があって、こんな小説を書きたいと思ったんです。
── : 結果、2001年に作家デビューを果たします。デビュー作の『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』、続けて『NHKにようこそ!』は読者に広く迎え入れられました。
滝本: でも、そこが限界でした。本当はもっと読者を幸せにしたかったんですが全然足りなかったんです……。 よく、作家は想像の翼を羽ばたかせ森羅万象を描くと言われますが、僕はダメでした。当時の僕はものすごく暗くて自分の持つ感情の幅の限界を超えることはできない、と思い知ったんです。だから共感してもらえても、ハッピーな気持ちにまで読者を連れていけなかった。書くためには僕自身がハッピーな気持ちを知らなければならない。だから修行を始めました。