うみの最後の夢、叶えてくれますか。(25)
「どうして、急に?」
「いい思い出を…たくさん作ってくれるから、こうして…頑張れるんだ。」
「これからももっともっといい思い出、たくさん作るんだよ」
「じゃあ、おかーさん。最後に一つだけ、いい思い出が…ほしいの」
「なに、うみちゃん?いくらあっても聞くよ。」
ーBGM结束ー
「お歌…歌ってほしいの…」
「歌うよ。おかーさん、歌がすっごく下手だけど、うみちゃんのためなら、いくらでも歌うよ。」
「そんなこと…ない。おかーさんの歌声は…世界で一番……綺麗な歌声…だから」
「ありがとう…うみちゃん。どんな歌がいいかな?」
「うみが眠る時…いつも…そばで…歌ってくれた…あの歌…うたって…くれる?」
「っ!それで、つまり…」
おかーさん、そんな今にも大泣きしそうな顔、しないでください。