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山月记 ·人虎

2023-05-17 来源:百合文库

山月记 ·人虎


己の珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出来なかった。己は次第に世と離れ、人と遠ざかり、憤悶と慙恚とによって益々己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。これが己を損い、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外形をかくの如く、内心にふさわしいものに変えて了ったのだ。
因为害怕自己并非明珠而不敢刻苦琢磨,又因为有几分相信自己是明珠,而不能与瓦砾碌碌为伍,遂逐渐远离世间,疏避人群,结果在内心不断地用愤懑和羞怒饲育着自己懦弱的自尊心。世上每个人都是驯兽师,而那匹猛兽,就是每人各自的性情。对我而言,猛兽就是这自大的羞耻心了。老虎正是它。我折损自己,施苦妻儿,伤害朋友。末了,我就变成了这副与内心一致的模样。
己には最早人間としての生活は出来ない。たとえ、今、己が頭の中で、どんな優れた詩作ったにしたところで、どういう手段で発表できよう。まして、己の頭は日毎に虎に近づいて行く。どうすればいいのだ。己の空費された過去は? 己は堪らなくなる。そういう時、己は、向うの山の頂の巌に上り、空谷に向って吼える。この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいだ。

山月记 ·人虎


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