竜吟虎嘯 第三章(3)
時をパレードの最中に巻き戻す。
この頃、王都にあるローマ大道がナポレオン大公を見るための大勢の民衆で賑わっている。だが、平和な場面が長く続かず、まもなく突如現れる少女に破られてしまう。この頃、記念碑へと移動する軍団の真ん中に位置するナポレオン·バルトはまだ民衆からの注目を浴びている。「旦那様、おめでとうございます。今回の戦でも大きな手柄を立てて、さぞ皇帝陛下も喜ぶでしょう」と親衛隊の兵士長が言う。「だとしたら、いいけどな、今日はなんだか悪い予感がするが、どうも気分が浮かぬのじゃ。ところで今日の霧が深いのう」と、ナポレオン大公が何かで心配してるようだ。
「あれはなんだ?ちょっとおかしいな」と、ナポレオン大公の親衛隊の一人の兵士が空を見上げると、何かが気になるようだ。「あ...あれはなんだ。」兵士は空の様子を確認すると、何か恐ろしい現象を発現した。親衛隊の兵士長もそれに気づいた。「雲の様子がおかしいぞ!」「え?そうなのか?天気現象じゃない?」「んなわけないだろうが。あ!雲が、いや、空には穴が空いてきているぞ!」兵士達がこの異変に騒ぎ出した。
穴から少女の姿が現れ、宙に浮かぶ。次第に体から輝く真っ白な光を放ちつつあると同時に空に空く穴も幅が広がっていく。「ありえない、どうしてそんもんがここに?これは次元魔法だ!陣形を組め!大公殿を守れ!」と、危険に気づいた兵士長が大声で叫びだした。「こうなったら、魔力を使い尽くしても旦那様を守るんだ!お前らも魔力を貸してくれ!」と、兵士長は光属性防御魔法シールドを展開した。親衛隊全員の魔力により、十人くらい収めれる光の壁がナポレオン大公を中心に上で繰り広げられてきた。