竜吟虎嘯 第三章
竜吟虎嘯
ナポレオン大公編Ⅲ
「こっちだ!援軍待ってたぞ!」と呼びかける兵士の前には何百人もいる部隊があった。「なるほど、ここに隠れてたのか。大公殿はどこにいるのだ?」「案内するから、早く!」兵士はこれらの人の身分に疑いもせず隠れ場所に連れて行った。
「あのバカ目、だからいつも駒扱いされるんじゃ!ようやくここまできたのに、死んでたまるか!!」ナポレオン大公は必死に壁にしがみついて、よじ登る。
「誰もいないじゃないかよ!時間の無駄だな!まさかお前時間稼ぎでもしてんのか?」と誰もいない路地裏に着く百人隊の兵長が怒鳴った。「時間稼ぎって...何のために?...きゃあ!」後ろから刺してきた剣に胸元を貫かれた兵士が死ぬ時はとても不思議な表情だった。「少なくとも、嘘ついてないみたいだ。死に甲斐があったぞ~」兵長が壁の岩石の隙間に付いた血痕を見ると、ナポレオン大公がついさっきまでここにいることがわかった。「反逆者ナポレオンはまだ向こうの貧民窟にいるはず、逃がすな!逃げられたら、俺ら全員首飛ぶぞ!探せ!!!」兵長が急いで百人隊を引き連れて、貧民窟に向かって駆ける。