《步侑女儿和雪侑女儿同居了》第一章日文版(3)

せつ菜ママなら何っていうんだろう。きっと、がんばれ愛菜、自分の「大好き」を伝えよう、とか励ますか。
そんなワケじゃないよ……
愛菜は孤独を感じる。コスプレが大好きで、本当に大好きだからこそ、前にすすめば進むほど、孤独感が強めている。
歩くうちにいきなりひとりぼっち、という孤独である。
愛菜は手にあるこのウオッチを見た。アニメの公式設定や、自分の計算で作ったこのウオッチ。これはどうでもいい小道具じゃなく、本当にパラレルワールドの間に駆け抜けることができるウオッチである。愛菜は同じ見た目の模型ウオッチに納得できない。動画でのウオッチはワールドクロスができれば、コスでこのウオッチもできるしかない。
愛菜はこのウオッチをタップしてから、眩しい白い光に包まれた。
かかるらしくなり。（こんなふうに）
下校のとき。周りの同校生は群れているが、高咲凛歌は一人で歩いている。凛歌は、友達がいないわけではなく、今日は一人で静めたがっただけ。
「あなたの夢は?」

授業中、先生にそう聞かれて、高咲凛歌は、まじめに、考えてから、
「わたし……特にやりたいことはあるません」と返事した。
事実である。クラスメイトは、ファッションデザイナーになるとか、ハリウッドの名監督になるとか、宇宙飛行士になるとか、すごい夢ばかり答えた。本当にすごい夢だと思ったが、凛歌自分はそんな夢を持っていない。
凛歌はこんな特徴も、特技も、夢すらない、ド普通な子。
この年頃の歩夢ママはもう、きらめくスクールアイドルだった。今でも当時の動画を見つける。侑ママは、大したことを成し遂げなかったけど、素直に音楽の夢を追いかけていた。そんな二人の子として、自分は…
凛歌は、足を止めて顔を上げる。こんな眩しい日差しが、目を痛めた。
孤独を感じた、ってこと。
みんなが夢に追いかけ、遠ざかっていくのに、凛歌だけはこのままとどまり、後ろ姿たちをぼんやりと見るしかない。
追いかけたくて、触れたくて、どうすればいいのかわからない。
川柳で言うと、