二匹の欲張り子グマ(3)
2023-11-01 来源:百合文库
すると片一方が、どう見ても大きいのです。
「あっ、大きさが違うよ」
「ちゃんと、同じ大きさにしてよ」
子グマたちが文句を言うと、キツネはニヤリとわらいました。
このキツネはずるいキツネで、わざと片方を大きくしたのです。
キツネは、子グマたちに言いました。
「坊やたち、さわがないで大丈夫よ。おばさんが、うまくしてあげるから」
キツネは大きい方にガブリとかみついて、チーズを食べてしまいました。
「あっ、そっちが小さくなっちゃった!」
「平気、平気。それなら今度は」
キツネはまた、別の方をかじりました。
するとそっちが、小さくなりました。
「あっ、今度はそっちが小さくなっちゃった」
「あら。それならこれで」
キツネはそのまま、あっちをかじったり、こっちをかじったりです。
そしてやっと同じ大きさになったときには、チーズはちっぽけなかけらになっていました。
「さあ、これで同じ大きさよ。では、さようなら」
キツネは大きくなったお腹をさすると、さっさと行ってしまいました。
おしまい
「あっ、大きさが違うよ」
「ちゃんと、同じ大きさにしてよ」
子グマたちが文句を言うと、キツネはニヤリとわらいました。
このキツネはずるいキツネで、わざと片方を大きくしたのです。
キツネは、子グマたちに言いました。
「坊やたち、さわがないで大丈夫よ。おばさんが、うまくしてあげるから」
キツネは大きい方にガブリとかみついて、チーズを食べてしまいました。
「あっ、そっちが小さくなっちゃった!」
「平気、平気。それなら今度は」
キツネはまた、別の方をかじりました。
するとそっちが、小さくなりました。
「あっ、今度はそっちが小さくなっちゃった」
「あら。それならこれで」
キツネはそのまま、あっちをかじったり、こっちをかじったりです。
そしてやっと同じ大きさになったときには、チーズはちっぽけなかけらになっていました。
「さあ、これで同じ大きさよ。では、さようなら」
キツネは大きくなったお腹をさすると、さっさと行ってしまいました。
おしまい