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二匹の欲張り子グマ(2)

2023-11-01 来源:百合文库
 弟グマが、泣き出しました。
「ぼくだって、同じだ。腹が減って、もう死にそうさ」
 兄さんグマも、涙をこぼしました。
 それでも二匹は、歩き続けました。
 すると道のまん中に、赤い大きな丸い物が落ちていました。
「何だろう? 良いにおいがするけど」
 子グマたちは、急いでそばへ行ってみました。
 するとそれは、大きなチーズではありませんか。
 二匹は大喜びで、チーズを分けようとしました。
「では、ぼくが二つに分けてやるよ」
「いやだ。そう言って兄さん、大きい方を取るつもりだろう」
「なにを言う。お前こそ、大きい方を取るつもりだろう」

二匹の欲張り子グマ


 二匹はチーズをそばに置いて、口げんかを始めました。
 するとそこへ、キツネのおばさんが現れました。
「まあ、まあ、子グマさんたち。何をそんなに怒っているの?」
 そこで子グマたちは、わけを話しました。
 するとキツネは、笑って言いました。
「おや、そんな事だったの。それなら、おばさんにチーズをかしてごらん。上手に分けてあげますよ」
「ありがとう。でも、ちゃんと同じ大きさにしておくれよ」
「そうだよ。同じ大きさだよ」
「はいはい、ちゃんと同じ大きさにしてあげますよ」
 キツネはチーズを受け取ると、パカリと二つに割りました。

二匹の欲張り子グマ


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