《世界顶尖的暗杀者转生为异世界贵族6》第二十话(8)

そして、次の瞬間には全力疾走でこちらに向かってくる、前にいる人形を跳ね飛ばしながら。
……さてとどうしたものか。
殺すだけなら、できる。だが、観衆は一般人、それを殺すことは良心が痛む。
その上、殺したところで意味がない。
すぐに代わりの材料に糸が繋がれるだけ。
やっ元を断たねば意味がないか、人形遣いはどこかに潜んでいる。奴の戦法を考えると姿を現す意味がない。
「このプランだけは使いたくなかったんだがな」
頭をかく。
今の状況は最悪から四番目に悪い。
ちなみに一番最悪なのは、勇者エポナが操られること。
それをしなかったのは、勇者エポナには通じないから。 エポナはスキルの宝箱。そのどれか一つが奴の糸を無効化する そう考えるのが自然だ。
もしエポナを操れるのなら、こんなまどろっこしいことをせず、初めから教主の権限で勇者を呼び出して操ればいし。

……まあ、こちらとしては非常に助かる。エボナと戦うなんてごめんだ。
「エボナ、操られている人たちを殺さずに取り押さえてくれ、俺には無理だが、エボナならできる」
壊れても動きをとめない人形を殺さずに無力化なんて真似は、圧倒的な力がなければ不可能。
一人二人なら俺でも可能だが、五十七人同時になんて真似は俺には到底不可能。
「ルーグはどうするの?」
「魔族を倒す。俺なら、この人形の糸をたどれる 適材適所だ」
「うん、 いね。 じゃあ、こっちは任せて」
エポナかいてくれてよかった。
もし、エボナがいなければ、ここにいる全員を見殺しにせざるを得なかっただろう。
……逆に言えば、ここにいる人間を救うために最強の駒である勇者を魔族に対して使えなくなったということでもある。
俺の性格を、この甘さを知って、 一般人を暴走させたのなら、油断ならない相手だ。「さあ、最終局面。 人形遣い、暗殺者らしく、忍び寄っておまえの首をとってやろう」