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豆の木になった子どもたち(2)

2023-10-31 来源:百合文库
 言うなり、風じいさんは雲ばあさんの背中を押しあげました。
 雲ばあさんは、月姉さんのところまでのぼっていき、
「月姉さん、あのわがままな四人の子どもを、しかっておくれ」
と、言いました。
 月姉さんも、さっきから四人を見て怒っていたところでした。
「わかりました。あの子どもたちを、豆の木にかえてしまいましょう」
 そういって月姉さんは、手に持っていた魔法の杖をさっとひとふりしました。
そのとたん、青ちゃんは青豆の木に変わりました。
つづいて紅ちゃんはあずきの木に、白ちゃんは白豆の木に、黒ちゃんは黒豆の木に変わりました。
それから村の子どもたちも、みんな仲良くなるようにと、いねのなえに変えてしまいました。
「みんな仲良くできるようになったら、また出てきますからね」
 月姉さんはそう言うと、雲ばあさんの後ろに姿をかくしてしまいました。

豆の木になった子どもたち


 田んぼの中のいねも、そのまわりにある四本の豆の木も、ぐんぐん大きくなり、やがてもみがらの中からは、お米になった子どもたちが次々とあらわれました。
 青豆の木からは青豆になった青ちゃんが、あずきの木からは赤いあずきになった紅ちゃんが、白豆の木からは白豆になった白ちゃんが、黒豆の木からは黒豆になった黒ちゃんが、元気にとびだしてきました。
 村の人たちは十五夜の晩になると、この豆やお米を一緒にして、おいしいおかゆをつくることにしました。
 そして、そのおかゆをお月さまにそなえて、
「お月さま、みんな仲良くなりましたよ」
と、言って手を合わせると、
「そう。それはよかったわ」
と、お月さまはとても喜んで、雲の中から顔を出してくるそうです。
おしまい


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