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金の鳥居(2)

2023-10-28 来源:百合文库
その事を、女房が亭主に相談すると、
「それほど心配してくれるとは、本当にありがたい。さっそく二人で、鎮守(ちんじゅ→その土地の守り神)さまにおまいりに行こう」
と、夫婦は村の鎮守さまにおまいりをしました。
亭主が手を合わせて、
「どうか、わたしの頭に毛が生えますように」
と、お願いすれば、そのとなりで女房も、
「どうぞ、うちの人の頭に毛を生やしてくださいませ。生やしてくだされば、そのお礼に金の鳥居(とりい)をさしあげます」
と、一心にお願いをしました。
するとその願いが通じたのか、二人が家に帰ってみると不思議な事に、
「まあ、お前さん。毛が生えておりますよ。頭にちょこんと、三本の黒い毛が生えておりますよ」

金の鳥居


「おお、なんとありがたい」
と、毛が少し生えていたのです。
こうして次の日も、また次の日も二人がおまいりしていると、やがて亭主の頭に黒々とした美しい毛が生えそろいました。
おかげで亭主は、立派なちょんまげをゆうことが出来ました。
さて、ここまではよかったのですが、二人は神さまとの約束を思い出してハッとしました。
「願いがかなったのだから、金の鳥居を鎮守さまにおそなえせねばならんな」
「はい。でも貧乏なわたしたちのこと、金の鳥居どころか木の鳥居さえあげられませんよ」
「そうだな、どうすればいいだろう?」
「どうしましょう? 神さまにうそをつくなんて、もったいないわ」

金の鳥居


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