力太郎(3)
2023-10-27 来源:百合文库
「どうした? 何かあったのか?」
力太郎が尋ねると、娘が泣きながら答えました。
「実はこの村には、毎晩化け物がやって来て、村人を一人ずつ飲み込んでしまうのです。村のみんなは化け物に飲み込まれてしまい、残ったのはわたし一人なのです」
「なんだ。化け物くらい、おらたちがやっつけてやる」
力太郎はそう言うと、娘にたくさんのおにぎりを作らせて、それをパクパクと食べながら化け物が現れるのを待ちました。
夜中になって現れたのは、家よりも大きなウシガエルです。
「まずは、おれがやってやろう」
はじめに岩割り男が立ち向かいましたが、ウシガエルの化け物は大きな口を開けると、岩割り男をパクリと飲み込んでしまいました。
「今度は、おれだ」
次にお堂男が飛び出しましたが、お堂男もパクリと飲み込まれてしまいました。
「よし、最後はおらが相手だ! 百貫目の鉄棒を受けてみろ!」
力太郎は鉄棒をブンブンと振り回すと、ウシガエルの化け物の頭に鉄棒を振り下ろしました。
これにはさすがの化け物もたまらず、白目をむいてひっくり返りました。
力太郎はひっくり返った化け物の腹の上に飛び乗ると、腹をドンドンと踏みつけました。
すると化け物の口から、これまで飲んだ人たちが次々と飛び出してきたのです。
こうして化け物をやっつけた力太郎は娘を嫁にもらうと、おじいさんとおばあさんを山奥から呼び寄せて、村人たちがお礼にと運んで来るご飯をたらふく食べながら幸せに暮らしたということです。
おしまい
力太郎が尋ねると、娘が泣きながら答えました。
「実はこの村には、毎晩化け物がやって来て、村人を一人ずつ飲み込んでしまうのです。村のみんなは化け物に飲み込まれてしまい、残ったのはわたし一人なのです」
「なんだ。化け物くらい、おらたちがやっつけてやる」
力太郎はそう言うと、娘にたくさんのおにぎりを作らせて、それをパクパクと食べながら化け物が現れるのを待ちました。
夜中になって現れたのは、家よりも大きなウシガエルです。
「まずは、おれがやってやろう」
はじめに岩割り男が立ち向かいましたが、ウシガエルの化け物は大きな口を開けると、岩割り男をパクリと飲み込んでしまいました。
「今度は、おれだ」
次にお堂男が飛び出しましたが、お堂男もパクリと飲み込まれてしまいました。
「よし、最後はおらが相手だ! 百貫目の鉄棒を受けてみろ!」
力太郎は鉄棒をブンブンと振り回すと、ウシガエルの化け物の頭に鉄棒を振り下ろしました。
これにはさすがの化け物もたまらず、白目をむいてひっくり返りました。
力太郎はひっくり返った化け物の腹の上に飛び乗ると、腹をドンドンと踏みつけました。
すると化け物の口から、これまで飲んだ人たちが次々と飛び出してきたのです。
こうして化け物をやっつけた力太郎は娘を嫁にもらうと、おじいさんとおばあさんを山奥から呼び寄せて、村人たちがお礼にと運んで来るご飯をたらふく食べながら幸せに暮らしたということです。
おしまい