力太郎(2)
2023-10-27 来源:百合文库
そして十五才の頃は、名前の様に村一番の力持ちに育ちました。
この頃、おじいさんおばあさんはとても年を取ってしまったのであまり働く事が出来ず、力太郎に腹一杯のご飯を食ベさせてやる事が出来なくなりました。
「どうしたものか」
おじいさんとおばあさんが悩んでいると、力太郎が言いました。
「おらは、旅に出る。だから、百貫目(ひゃくかんめ→約375㎏)の鉄の棒をつくってくれ」
おじいさんが百貫の棒をつくってやると、力太郎はそれをブンブン振り回して旅に出ました。
しばらく行くと、大男が岩をげんこつで砕いて人を集めています。
「わはははははっ、おれは天下一の力持ちだ。どうだ、おれと力比べをする者はいないか」
それを聞いた力太郎は、岩割り男に力比ベを申し出ました。
「おらの鉄棒を三回半振り回せたら、お前の子分になろう。どうだ?」
「いいだろう。出来なければ、おれがお前の子分になってやる」
岩割り男は鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、力太郎の鉄棒はとても重くて、どんなに頑張っても一振り半しか回せません。
そこで石割り男は、力太郎の子分になりました。
二人が旅を続けていると、お堂を背中に背負っている男に出会いました。
「おれは天下一の力持ちだ。おれと力比べをする者はいないか」
力太郎は、この男にも力比べを申し出ました。
「おらの鉄棒を三回半振り回したら、お前の子分になるぞ」
「はん。そんな事、たわいもないわ」
お堂を背負っている男は、鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、どんなに頑張っても、二振り半しか回せません。
そこでこの男も、力太郎の子分になりました。
三人がしばらく行くと、人影のない村で娘が一人で泣いていました。
この頃、おじいさんおばあさんはとても年を取ってしまったのであまり働く事が出来ず、力太郎に腹一杯のご飯を食ベさせてやる事が出来なくなりました。
「どうしたものか」
おじいさんとおばあさんが悩んでいると、力太郎が言いました。
「おらは、旅に出る。だから、百貫目(ひゃくかんめ→約375㎏)の鉄の棒をつくってくれ」
おじいさんが百貫の棒をつくってやると、力太郎はそれをブンブン振り回して旅に出ました。
しばらく行くと、大男が岩をげんこつで砕いて人を集めています。
「わはははははっ、おれは天下一の力持ちだ。どうだ、おれと力比べをする者はいないか」
それを聞いた力太郎は、岩割り男に力比ベを申し出ました。
「おらの鉄棒を三回半振り回せたら、お前の子分になろう。どうだ?」
「いいだろう。出来なければ、おれがお前の子分になってやる」
岩割り男は鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、力太郎の鉄棒はとても重くて、どんなに頑張っても一振り半しか回せません。
そこで石割り男は、力太郎の子分になりました。
二人が旅を続けていると、お堂を背中に背負っている男に出会いました。
「おれは天下一の力持ちだ。おれと力比べをする者はいないか」
力太郎は、この男にも力比べを申し出ました。
「おらの鉄棒を三回半振り回したら、お前の子分になるぞ」
「はん。そんな事、たわいもないわ」
お堂を背負っている男は、鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、どんなに頑張っても、二振り半しか回せません。
そこでこの男も、力太郎の子分になりました。
三人がしばらく行くと、人影のない村で娘が一人で泣いていました。