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ほら吹き甚兵衛(3)

2023-09-15 来源:百合文库
 殿さまの言葉に、三人の家来が甚兵衛を見つめました。
 甚兵衛がどんなほらを吹いても、けちをつけるつもりです。
「はい、では」
 甚兵衛は座りなおすと、殿さまの方を見て言いました。
「わたしは、胴のまわりが三百里(→千二百キロほど)もあって、たたけば世界中に鳴りひびく大太鼓(おおだいこ)を作りたいと思います」
「そんなに大きな太鼓を、どうやって作るのだ?」
 家来の一人がたずねると、甚兵衛が答えました。
「まず胴は、一万年もたった大きな木で作り、太鼓の皮は富士山をまたぐウシの皮を張り、それから海の水で顔を洗う大男に太鼓をたたかせます」

ほら吹き甚兵衛


「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 このほらには、三人の家来もけちがつけられません。
 甚兵衛のほらは三人のほらをうまく使っているので、甚兵衛のほらにけちをつけるのは自分たちのほらにけちをつける事になるからです。
 その三人の様子を見た殿さまは、手を叩いて言いました。
「見事! ほら吹き比べは、甚兵衛の勝ちじゃ!」
 ほら吹き比べに勝った甚兵衛は、殿さまにたくさんのほうびをもらいました。
おしまい


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