一休のくそとなれ(2)
2023-08-01日语睡前故事20210323 来源:百合文库
「一休! お前、そのコイをどうするつもりぞ!」

「はい。
このコイを、食べます。
この前、和尚さんに教わったお経を唱えますので、聞いて下さい」
「お前、正気か!」
「はい、正気でございますとも」

一休さんは少しもあわてず、コイをまな板へ乗せてお経を唱えました。
「これなる、生きゴイよ。

そなたは、この一休に食べられて、くそとなれ、くそとなれ」
唱え終わると一休さんはコイを切り身にして、なベに放り込みました。
「むむっ。・・・『くそとなれ』か」

和尚さんは、今まで塩ザケに向かって『極楽へまいられよ』と言っていたのが、恥ずかしくなりました。

『くそとなれ、くそとなれ』
と、本心を言った小さな一休さんに、してやられたと思ったのです。
(こいつはきっと、大物になるぞ。わしの所ではなく、もっと良い和尚の所にあずけるとするか)
「それでは、頂きます」

一休さんは和尚さんの顔色をうかがう事なく、他の小僧たちと一緒にコイこくをおいしそうに食べました。
おしまい

「はい。
このコイを、食べます。
この前、和尚さんに教わったお経を唱えますので、聞いて下さい」
「お前、正気か!」
「はい、正気でございますとも」

一休さんは少しもあわてず、コイをまな板へ乗せてお経を唱えました。
「これなる、生きゴイよ。

そなたは、この一休に食べられて、くそとなれ、くそとなれ」
唱え終わると一休さんはコイを切り身にして、なベに放り込みました。
「むむっ。・・・『くそとなれ』か」

和尚さんは、今まで塩ザケに向かって『極楽へまいられよ』と言っていたのが、恥ずかしくなりました。

『くそとなれ、くそとなれ』
と、本心を言った小さな一休さんに、してやられたと思ったのです。
(こいつはきっと、大物になるぞ。わしの所ではなく、もっと良い和尚の所にあずけるとするか)
「それでは、頂きます」

一休さんは和尚さんの顔色をうかがう事なく、他の小僧たちと一緒にコイこくをおいしそうに食べました。
おしまい