一休のくそとなれ
2023-08-01日语睡前故事20210323 来源:百合文库
むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん)と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
一休さんがまだ小さい頃、始めて修行をしていたお寺の和尚(おしょう)さんは、ひどいけちん坊でした。

おまけにお寺では食べてはいけない、塩ザケをおみそ汁の中へ煮込んで、
「ああ、うまい。体が温まるのう」
と、平気で食べているのです。
当然、一休さんたち小僧には、一切れも分けてはくれません。
しかも塩ザケを食べる時の、和尚さんの言葉がとても気どっていました。
「これなる、塩ザケよ。
そなたは、枯れ木と同じ。
いくら助けたいと思うても、今さら生きて海を泳ぐ事など出来ぬ。
よって、このわしに食べられ、やすらかに極楽(ごくらく)へまいられよ」
それを聞いた一休さんは、
「ふん、自分で料理しておきながら、何が極楽だ」

と、他の小僧たちと腹を立てていました。
ある日の事。
一休さんは朝のお務めをすませると、魚屋へ走って行って大きなコイを一匹買って来ました。
そしてお寺へ戻ると、まな板と包丁を取り出して、なベをかまどにかけました。
それを見た和尚さんは、ビックリして言いました。