竹から生まれた女の子(2)
2023-08-01日语睡前故事20210321 来源:百合文库
おかげで貧しかった家も、みるみるお金持ちになりました。
「それにしても、何て不思議な布だ。売った人に聞いたが、あの布で着物を作ると心まで温かくなるそうな」
「ほんにのう。いったい、どうやってあんな布が織れるのでしょうね」
おじいさんとおばあさんが、そのわけを娘に尋ねても、
「はい、『おじいさんもおばあさんも幸せなれます様に』と、神さまにお祈りをして、一生懸命織るだけですわ」
と、言うばかりです。
でもある日、とうとう我慢出来なくなった二人は娘との約束を破って、こっそり娘の部屋を覗いたのです。
すると、どうでしょう。
部屋の中では小鳥が一羽、自分の柔らかい羽を抜いて、それを布に混ぜながら機を織っていたのです。
小鳥はすっかりやせこけて、羽はすっかりボロボロです。
「まさか、あの娘が小鳥だなんて」
二人は思わず、顔を見合わせました。
その途端、小鳥は、
「ピィー」
と、悲しそうに鳴き、そのまま外へ飛び出して山の方へ飛んで行きました。
「ああ、娘や。約束を破って悪かった。謝るから、帰って来ておくれ」
でも、小鳥は二度と帰っては来ませんでした。
こうしておじいさんとおばあさんは、また子どものいないさびしい毎日を送る様になりました。
おしまい
「それにしても、何て不思議な布だ。売った人に聞いたが、あの布で着物を作ると心まで温かくなるそうな」
「ほんにのう。いったい、どうやってあんな布が織れるのでしょうね」
おじいさんとおばあさんが、そのわけを娘に尋ねても、
「はい、『おじいさんもおばあさんも幸せなれます様に』と、神さまにお祈りをして、一生懸命織るだけですわ」
と、言うばかりです。
でもある日、とうとう我慢出来なくなった二人は娘との約束を破って、こっそり娘の部屋を覗いたのです。
すると、どうでしょう。
部屋の中では小鳥が一羽、自分の柔らかい羽を抜いて、それを布に混ぜながら機を織っていたのです。
小鳥はすっかりやせこけて、羽はすっかりボロボロです。
「まさか、あの娘が小鳥だなんて」
二人は思わず、顔を見合わせました。
その途端、小鳥は、
「ピィー」
と、悲しそうに鳴き、そのまま外へ飛び出して山の方へ飛んで行きました。
「ああ、娘や。約束を破って悪かった。謝るから、帰って来ておくれ」
でも、小鳥は二度と帰っては来ませんでした。
こうしておじいさんとおばあさんは、また子どものいないさびしい毎日を送る様になりました。
おしまい