ブラブラたろう
むかしむかし、ある村に、たろ助という若者がいました。
たろ助は、とてもなまけ者で、仕事もしないで毎日プラプラ遊び暮らしています。
今日も朝からプラプラ遊んでいると、たろ助を呼ぶ声がしました。
「もしもし、たろ助どん」
「うん? だれだ?」
声のする方を見ると、小さなつぼがころがっています。
「つぼか。こりゃあ、ええもん見つけたぞ」
と、ひろい上げると、つぼの中にはネズミぐらいの大きさの小さな男がいるではありませんか。
「わわっ! お前は、だれだ!」
「たろ助どん、わしはお前さんのように、ブラブラ遊んでいるなまけ者が大好きでな、今日からお前さんの家で暮らしたい。どうか、連れていってくれ」
「そうか。なら来いや」
つぼを家に持って帰ったたろ助が、男をつぼから出してやると言いました。
「まあ、ゆっくりせいや。すまんが、留守番をたのむぞ」
たろ助があっちこっちブラブラ遊んでから家に帰ってみると、見た事もない男が大の字になってねています。
「おい起きろ! お前は、どこのだれだ?!」
「おい、忘れたのか? つぼから出てきたわしを」
「えっ? ・・・ひえっ! なんでまた、そう大きうなった」
「実はな、お前が遊んでくれると、わしの体が大きくなるんだ。だからこれからも、よう遊んでくれや」
びっくりしたたろ助ですが、次の日も遊びに出かけました。