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どくろをかついで

2023-07-31日语睡前故事20210227 来源:百合文库

どくろをかついで


 むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん)と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
 その一休さんが、大人になった頃のお話です。
「あけまして、おめでとうございます」
「今年もどうぞ、よろしくお願いします」と、人々が、あいさつをかわしているお正月の朝。
 初もうででにぎわう町通りを、汚い身なりの坊さんが一人やって来ました。
 一休さんです。
 しかしどうした事か、長い竹ざお一本を、高々とかついでいるのです。
 そしてその先っぽに、なにやら白い物がくっついています。
「なんだい、あれは?」
 よくよく見ると、それはどくろ(→人間の頭の骨)でした。
 人々は、気味悪いどくろを見上げてびっくり。
「正月そうそう、なんと悪ふざけをする坊主だ」
「一休さんは、頭でもおかしくなったのか?」
と、口々にさわぎました。
 けれども一休さんはそんな言葉を全く気にせず、すました顔でどくろをかついで歩いています。
 物好きな人たちは、一休さんのうしろからワイワイとついて来ました。
 やがて一休さんは町で一番のお金持ちの金屋久衛(かなやきゅうべえ)さんの立派な家の前に立つと、耳が痛くなるほどの大声で、「たのもう、たのもう。一休が、正月のあいさつにまいりました!」

どくろをかついで


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