『通勤途中と通学途中』同人 第29.5話 通勤電車―滝原美矢の場合―(3)
「お前は何を言い出すんだ」
声をひそめて聞いてくる。
その音色は低く、誘惑的にも聞こえる。
「だって、私、やばいかも」
何故に誤魔化さずに、素直に答えた。
「な、何がだ」
こうすけ君もちょっと動揺しているように見える。
「こうすけ君に包まれてる感が、女を目覚めさせる」
「タマちゃんみたいなセリフを吐くな」
「んっ」
太ももに膝が当たった。
でも、それもとっても優しく感じる。
本当に何かが目覚めそうで、体が熱くなって、視界も思考も朦朧になっていく。
もう一度こうすけ君を呼んだはずだが、何かを我慢している様子で、返事しれくれなっかった。
タマちゃんなら、こういうときもちゃんとおかしなことを言って、上手く誤魔化したんだろうな。
いや、もしかしたら、とっくに逃げたかもしれない。
まあ、通勤電車では逃げるようもないけどね。
電車はカーブに差し掛かたようだ。
距離がさらに縮んでしまう。
こうすけ君のワイシャツ、いい匂いするなあ。
洗剤の香り、お日様の匂い、そしてこうすけ君の匂い。
なんか癖になりそうだ。
思わずこうすけ君の胸に顔を埋める。
幸せというのはこんなことだろうなあ。
いつの間にか脚の間に何かが入ってきた。
逞しくてちょっと硬いけど、恐らくこうすけ君の脚だろう。
そこに当たっているのに、嫌とは思わなかった自分は、やはりもうおかしくなってしまたんだろう。
こうすけ君も呼吸が少し荒って、汗もかいているようだ。
電車の揺らぎと伴に――
「あ、脚、動かしちゃダメ」
これ以上はもう――
「間も無く――」
車内アナウンスのお陰でなんとか理性を保った。
こうすけ君も安心したような顔をしている。
「滝原」
「こうすけ君」
電車はホームに差し掛かった。
もう少し一緒にいたいと思うけど、私はここで降りて、こうすけ君は会社まで乗って行く。
声をひそめて聞いてくる。
その音色は低く、誘惑的にも聞こえる。
「だって、私、やばいかも」
何故に誤魔化さずに、素直に答えた。
「な、何がだ」
こうすけ君もちょっと動揺しているように見える。
「こうすけ君に包まれてる感が、女を目覚めさせる」
「タマちゃんみたいなセリフを吐くな」
「んっ」
太ももに膝が当たった。
でも、それもとっても優しく感じる。
本当に何かが目覚めそうで、体が熱くなって、視界も思考も朦朧になっていく。
もう一度こうすけ君を呼んだはずだが、何かを我慢している様子で、返事しれくれなっかった。
タマちゃんなら、こういうときもちゃんとおかしなことを言って、上手く誤魔化したんだろうな。
いや、もしかしたら、とっくに逃げたかもしれない。
まあ、通勤電車では逃げるようもないけどね。
電車はカーブに差し掛かたようだ。
距離がさらに縮んでしまう。
こうすけ君のワイシャツ、いい匂いするなあ。
洗剤の香り、お日様の匂い、そしてこうすけ君の匂い。
なんか癖になりそうだ。
思わずこうすけ君の胸に顔を埋める。
幸せというのはこんなことだろうなあ。
いつの間にか脚の間に何かが入ってきた。
逞しくてちょっと硬いけど、恐らくこうすけ君の脚だろう。
そこに当たっているのに、嫌とは思わなかった自分は、やはりもうおかしくなってしまたんだろう。
こうすけ君も呼吸が少し荒って、汗もかいているようだ。
電車の揺らぎと伴に――
「あ、脚、動かしちゃダメ」
これ以上はもう――
「間も無く――」
車内アナウンスのお陰でなんとか理性を保った。
こうすけ君も安心したような顔をしている。
「滝原」
「こうすけ君」
電車はホームに差し掛かった。
もう少し一緒にいたいと思うけど、私はここで降りて、こうすけ君は会社まで乗って行く。