うみの最後の夢、叶えてくれますか。(18)
「そうだよ、うみちゃん。また絵日記の続きを描けばいいよ。うみちゃんがどんな夢を描けても、本当になるよ。おかーさんが頑張って叶えてあげるの。おかーさん、絶対うみちゃんに楽しいって言ってもらえるように、頑張るから」
「でも、でも…!」
「え、おかーさんじゃ、だめなの?」
「違う!」
首を横に振る。
「うみは、たくさん楽しい夏休みを送って、たくさんのおかーさんを知ったの。おかーさんはいつまでも優しくて、いつまでも私のことを大事にしてくれて、世界一のおかーさんなんだと、とっくに分かったの。」
「だったら、どうして?」
「…この絵日記残った最後の夢は、ずっと叶わなかったよ。何年も、何年も、おかーさんが叶えてくれなかったもん」
「じゃ、今からおかーさんが叶えてあげればいいのよ。おかーさんは決めたの、もっといいおかーさんになるから、それが第一歩で、どうかな?」
「うん…」
うみは無言で、その絵日記帳をおかーさんに差し出す。
最後のページで、書いていたのは