うみの最後の夢、叶えてくれますか。(15)
「もう、どこにも行っちゃだめよ。おかーさんと、ずっと一緒にいって」
おかーさんは、ぼろぼろと大粒の涙を落としてる。
「おかーさん、泣かないで」
「ずっとずっと、私のそばにいてほしいの」
「私も、おかーさんと、もっともっと一緒にいたい」
「本当?それじゃ…」
「でも、それは、もう、無理みたい。」
「え…」
涙を堪えながら、次の言葉を紡いていく。
「おかーさん、一つだけ、約束をしてください」
「うみちゃんがどこにも行かないなら、おかーさん、なんでも聞くよ!?」
「…今うみがここにいることを…忘れてください…」
「うみちゃんのこと…絶対に忘れないよ」
「未来の思い出の眩しさだけを、覚えてください。そして、おかーさんはきっと眩しい未来を開けるの」
「でも、私だけじゃ、幸せになれないよ。その眩しさも、一人じゃ見つけられないよ。」