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【原创小说】【日文】死体(2)

2023-11-23 来源:百合文库
 作家さんは、濃い、黒い眉、濃い、黒い髭、濃い、黒い髪。だらしがない者である。渓に水を汲む、ともいうときに、ぐびぐびと水と呑む。爪の垢のようなもの、塞いだようにみえる。一般的には、手を洗って、垢を流してから水を飲み始めるはずなのに、彼はその垢に気づかず、まるでなれたようにみえた。とても紳士っぽくはない、どこかの浮浪者のような者でもある。
 しかし、彼も浮浪者のような気質はない。かわいそうではないだからである。
 常に筆をとり、原稿用紙を選び出し、渓の石に座り、何かを書いている様子であった。
 この辺に住んでいるかどうかはしらずとも、毎日来るのが日常である。
 周りに、彼を目撃した人は、柴刈りのおじいさんや、服を濯ぐおばあさんなどの人が、いつも彼の姿を見えた。ささ、ささ、と水の流れる音。
 作家さんは礼儀正しく、会う人に頷き、そして自分の仕事に専念する。
 でも、毎回、作家さんは変わらないように、いつも同じ服を着、同じところで、同じ垢が、まだ残っている。
 溪に作家さんがいても、奇怪な感覚がない。もしや、作家さんのいるこの渓が、渓本来の姿である。

【原创小说】【日文】死体


 そんな作家さんは、去年の春を初めに、姿が消えたのである。
 いつものようなことだった。
 柴刈りのおじいさんが、同じ時に、同じ谷の口にきて、期待していた作家さんの姿がいなかった。いるはずの作家さんの姿が、ない。
 おかしいなぁと思っても、おじいさんは自分の仕事もあるから、放っておいていた。渓流を逆らって山奥へ行く。
 服を濯ぐおばあさんも、同じ時に、同じ谷の口にきて、期待していた作家さんの姿がいなかった。いるはずの作家さんの姿が、ない。
 おかしいなぁと思っても、おばあさんは自分のこともあるから、放っておいていた。服の垢は渓流に持たれて遠くへ行く。
 二日後、三日後、七日後も同じく、彼の姿がない。
 ある日、おじいさんとおばあさんが会った。死んだかもしれないだと、もしくは、もう小説を完成したかもしれないから、ここに来なくなるのではないだろうかも、いろいろ推測をした。
 おじいさんも、おばあさんも、彼を探る理由がない。毎日一面の縁があり、よく知るというわけでもない。友達でもないし、第一、探していたら、もしあの人が無事であるのなら、どうにも行かないであろう。よって、誰も彼も、これを忘れることにしたのである。

【原创小说】【日文】死体


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