《世界顶尖的暗杀者转生为异世界贵族6》第十九话(5)

それを決めるのにもっとも重要なのは、観衆の空気である。
なにせ、これは俺が社会的に死ぬかどうかの瀬戸際だ。 ミスは許されない。
ルーグ・トウアハーデの名を捨て、 別人として生きていくことはさほど難しくない そのための準備はしてある。暗殺者という、 いっ切り捨てられてもおかしくない稼業ならばこその保険。
 ……だか、 それは選びたくない。 俺はルーグ・トウアハーデとして歩んだ人生を、共に生きて来た人たちを、トウアハーデ領を愛している。
ならばこそ、ここで勝ち、 ルーグ ・トウアハーデの無実を勝ち取らなければならない。
「罪人よ、笑わせてくれる。枷を外したのが女神のカであると！？はつ、それこそか悪魔の証!」
どういうわけか、その声は拡声魔法を使っている俺と同様の声量があった。 魔法を使っているなら、トウアハーデの目が魔力の流れを見抜けるはずだ。
注意深く観察して、 ようやく気付いた。
ただ単に、大きな声を出しているだけだ。
ただし、脳のリミッターを外して喉を傷めつけながら。体を守るための制限を無視できるのは人形だからだろう。

一方的にこちらの言い分だけを観衆に聞かせることは不可能になったが、それはそれで構わない。
「なら、 聞こう。なぜ、 その悪魔が魔族を倒してきた！なぜ、 その悪魔が人々を救ってきた?」
「悪魔のたわごとなど聞く耳もたぬ! 勇者エポナよっ、悪魔の力を使ったこやつを斬り伏せろ！」
教主の視線は、処刑台のそばに佇んでいたエボナに向けられる。
当然の備えと言えるだろう。
もし、俺が何かしらの手段で拘東から抜け出した場合、俺を御せるのは彼女だけなのだから。
エポナが本気になれば、俺は容易く捕らえられる。
しかし……
「悪魔の力は感じなかったかな……僕はルーグの言葉を聞きたい。 これは処刑じゃなくて、 裁判なんだよね? 」
エポナは俺を信じてくれている。教主、いや、彼の後ろにいる人形遣いの誤算、それは俺とエボナの友情を知らなかったことだ。
「私にはわかるのだ! アラム教の教主である私には、 この罪人についた悪魔が見えた! ゆえに処刑しなければならぬ」