《世界顶尖的暗杀者转生为异世界贵族6》第十五话(9)

縄で縛られ、ロに布を詰められた細身の男だ。
そして、控え目な足音が近づいてくる。
「びつくりしました、ルーグ様が一言う通り、ルーグ様たちを監視している人がいるなんて」
遅れて制服姿のタルトが現れる。
タルトには、俺たちのあとを付けるように頼んでおり、もし俺たちを監視するものかいれば捕獲するように頼んでいた。
いわゆる二重尾行。
監視を行う際、ターゲットに意識を割きすぎて、自身には隙ができてしま、つことか往々にしてある。……もっとも、そういう連中は二流だが。
悲しいことに、俺とエボナを見張っていたのは、そういう二流の類いであり、容易くタルトに捕まった。
倒れている男の様子を見る。
……いや、今回に限っては、監視者が二流というわけではないらしい。
「腕を上げたな」
「ほえ?」
「傷は後頭部に一箇所だけだ。 背後から一撃で無力化した証。それも近づいていることに気付かれていない。彼はプロだ、そのプロ相手にそんな真似ができるのは誇っていい。タルトぐらいの年齢で、これだけの技を持っている子はそうはいない」

監視者が二流だったわけではなく、タルトが超一流だっただけだ。
「そ、そんな、ルーグ様にいつばい教えてもらったからですよ」
「それだけなら、こうまでできない。よくかんばった」
前世では、引退して教官に専念するように言われる前も、何人もの生徒を育てた経験がある。
彼女以上にセンスがある生徒はいくらでもいたが、 彼女ほど成長した生徒は一人しか知らない。
……陳腐な言葉だが、彼女は努力の天才だ。
そんな彼女の頭をなでてやると、 タルトが顔を赤くして身を任せてくる。きりつとした表情を作ろうとして、それでも表情が緩んでいく。そんなところがタルトらしくて可愛い。
頭から手を離すと名残惜しそうにタルトが離れていく。
「さて、こいつの処理をしよう」
縛られた男が恨めしげに俺を睨んでくる。
タルトは、情報源を殺すような間抜けではない。きっちり生かしてある。
彼のような監視役が手配されるのは読めていた。
俺を止められるのはエボナぐらいしかいないため彼女を使うしかないが、エポナと俺は友人だ。