うみの最後の夢、叶えてくれますか。(6)
夏の風物詩であるこの美しい光景を、
やっとおかーさんと一緒に、見ることができた。
「しろはちゃん、手、繋ごうか」
思わず言っちゃった。
「え?!」
「いいから、繋ごう」
「手、手繋げばいいんだね。分かった」
【新CG变体1】
「もしかして、また照れてる…?」
「照れるなんてないし!」
「ぷ」
吹き出した。おかーさんらしいな。
「笑わないで!うみちゃん…」
「ごめん、しろはちゃん。花火見るよ、花火!」
本当に本当に、最後の花火。
こうして、おかーさんと手を繋ぐのも、もう二度とできない。
だから、この愛しい時間を大事にしたい。
おかーさんの手から伝わってくる温もりも、大事に大事に記憶のポケットに納めたい。
この瞬間も、おかーさんにとってのいい思い出にすると決めたから。