うみの最後の夢、叶えてくれますか。(21)
「おかーさんが幸せになれないと、うみも本当の幸せになれないの!」
「おかーさん、幸せだったよ。うみちゃんと出会えて、とっても幸せだったよ。」
「うみは見たのよ。おかーさんがいっぱいいっぱい苦しんで死ぬのを、何度も何度も見たのよ。」
「!?」
「そんなおかーさんを何百回も見るのは、うみ、本当に幸せになれるかな。」
「…うみちゃん…ごめんなさい…」
ああ、ちょっと失敗した。こんなおかーさんを見ると、ちょっと焦っちゃって、うみはひどいことを言っちゃったのかな。
でも、もう謝る時間すらないから、うみは話を進んでいくしかない。
「うみは分かってるの。おかーさんはきっと優しすぎるから、他人に迷惑をかけないように、自分の幸せを自分が奪ったんだよね。
「だけどね、それでうみの幸せも一緒に奪われたんだということなんだよ。