绯色之鸟(2)
其為萬人之心,其為共享意識界之王。緋色之鳥來兮!
棲於魂靈合流處的精神支配者。緋色原野愈發廣大!
緋色來兮! 若此世即為汝之鳥籠。
一切的人,見證吧! 汝眼所映乃為赤色之空,赤色之草土,赤色之廢墟! 乃為緋色之鳥所居世界圍繞之汝之世界!
高歌吧。那鳥兒僅為隨意貪食汝等魂靈而存在,而這即為世界!
而那鳥兒嚥下最後一人之后,就要飛去。在漫長咆哮之後,飛去吞噬人、非人與神。空留這赤色之星,飛去意識界更深層。投身於深遠之混沌,沉眠於瘋狂儀式之中。
直至星辰重生,大地再次充滿生命——
──緋色之鳥 蓄勢未發
あかしけ やなげ 緋色の鳥よ くさはみねはみ けをのばせ
なのと ひかさす 緋色の鳥よ とかきやまかき なをほふれ
こうたる なとる 緋色の鳥よ ひくいよみくい せきとおれ
煌々たる紅々荒野に食みし御遣いの目に病みし闇視たる矢見しけるを何となる
口角は降下し功過をも砕きたる所業こそ何たるや
其は言之葉に非ず其は奇怪也
カシコミ カシコミ 敬い奉り御気性穏やかなるを願いけれ
紅星たる星眼たる眼瘴たる瘴気たる気薬たる薬毒たる毒畜たる畜生たる生神たる我らが御主の御遣いや
今こそ来たらん我が脳漿の民へ
今こそ来たらん我が世の常闇へ
今こそ来たらん我が檻の赫灼ヘ
緋色の鳥よ 今こそ発ちぬ
人は常に何かの視線を感じながら生きている。
それは常に「何か」の視線でしか無い。そこには如何なる具体性も像も存在しない。
だが、一体誰が己の背後に何者も存在し得ない事を保証出来るだろうか?
一体誰が人の魂は誰の侵入も許さぬ神聖な不可侵領域であると嘯いた?
一体誰が己が己たる部分には鵬の嘴すらも届かぬであろうと説いたというのか?
偶然などはどこにも存在しない。全ては必然であり、何らかの誘導の結果引き起こされたものである。
だがそれを観測出来ぬ者はそれを偶然と決めつけなければ気が済まなくなる。人は結論の出ない問いにすら答えを押し当て、前に前にと進んで来た。それが故に、盲目であった。
そしてそれは自然の摂理であった。盲目につけ込む捕食者。人が人たるを狩る、人類種の天敵。
それを思い付いた者がいた。数言の簡単な言葉と、その羅列。その者はそれを発見した気になった。事実その者は、それを赤い原野の奥に見出したのだ。
しかしその実、その者は発見したのではなく、発見されていたのだ。
その者は言葉を想い、それを目にし、それを記し、そして死した。
だが死は、余りにも世界にありふれていた。その者の死は、あまりにありふれた死の中に埋もれてしまった。その死が持つ真の意味に何者かが気付いていれば、その何者かはその者を単なる異常者とは見なさなかったであろう。