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なぞかけの焼きいも屋(2)

2023-08-19 来源:百合文库
「ほほう、それで九里半か」
 男が食べてみると、確かにあまくて、クリよりおいしい焼きいもでした。
「ああ、うまかった。さすが九里半だ。名前通りだ」
男がさらに歩いて行くと、また別の焼きいも屋がやって来ました。
「えー、十里の焼きいもはいかがですか~ 焼きたての十里の焼きいも~」
「焼きいも屋。十里の焼きいもとは、何の事だ?」
「ああっ、説明するよりも、食って見りゃわかるだ」
 今度の焼きいも屋は、えらく態度の悪い焼きいも屋です。
(まあ、八里半、九里半と来て、どんどんうまくなっているから、この十里の焼きいもは、もっとうまい焼きいもにちがいない)
 男はそう思って十里の焼きいもを食べてみたのですが、いもが悪いのか固くてゴリゴリしています。
 とてもまずくて、食べられたものではありません。
「なんだい、このまずい焼きいもは! ゴリゴリして、食えたもんじゃないぞ!」
 男が文句をいうと、焼きいも屋はすました顔で言いました。
「だから、十里と言っただろう。五里(ゴリ)と五里(ゴリ)で十里。焼きいもがゴリゴリしていてあたり前だ」
「なるほど、確かに名前通りだ」
おしまい


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